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家族の対話約8分

家族で出かけた旅行や遠出のことを、親に聞いて残す 行き先の決め方、道中のこと、写真に写っていない場面を、親の言葉で書き留める

「あの旅行の行き先は、誰が決めたの?」。家族で出かけた旅行や遠出の話は、家族の暮らしの話でもあります。けれど、あなたが小さかったころの旅のことや、行き先が決まるまでのいきさつ、出かける前の準備のことは、親の記憶の中にだけ残っていることがあります。答えやすい問いから始める聞き方、行き先といきさつの聞き方、道中のことの聞き方、写真を見ながら聞くこつ、つらい思い出や旅先で会った人への配慮まで、家族で出かけた日の話を親の言葉で残す手順をまとめました。

家族で出かけた日の話は、家族の暮らしの話でもある

この記事を読むと、家族で出かけた旅行や遠出のことを親に聞いて、親の言葉のまま書き留める手順が分かります。結論から言うと、「家族旅行の思い出を聞かせて」と大きく聞こうとせず、「あの旅行の行き先は、誰が決めたの?」のように、一つのことだけを聞くこと。そして、聞いた話を、親の言葉とあなたの感想を並べて、一つの旅につき一枚ずつ残すこと。この二つで、家族で出かけた日のことが、家族で読み返せる言葉の記録になります。

泊まりがけの旅行、日帰りの遠出、親戚の家への帰省、近くの公園や海へのお出かけ。家族で出かけた日の話をすると、誰が行き先を決めたか、どうやって行ったか、出かける前の家がどんな様子だったかといった、そのころの家族の姿も一緒に出てきます。出かけた日の話は、家族がどう暮らしていたかを伝える話でもあります。

あなたが小さかったころの旅は、自分では覚えていないかもしれません。覚えていても、行き先が決まるまでのいきさつや、出かける前の準備のことは、親にしか分からないことがあります。この記事では、そうした話を親の言葉で聞いて残す方法をまとめます。旅行の計画の立て方や、おすすめの行き先を紹介するものではありません。

最初の問いは「あの旅行の行き先は、誰が決めたの?」くらいでいい

最初の問いは、一つのことにしぼると答えやすくなります。「あの旅行の行き先は、誰が決めたの?」「いちばん遠くまで出かけたのは、どこだった?」「よく出かけた場所はある?」。このくらいの問いなら、親も、思い出したことをそのまま話せます。

答えが返ってきたら、そこから一つだけ問いを足してみてください。「お父さんが決めた」と聞けば「どうしてそこにしたの?」。「海によく行った」と聞けば「お昼ごはんは、どうしていた?」。一つの答えに一つの問いを重ねていくと、家族で出かけた日の様子が見えてきます。

聞くきっかけは、ふだんの会話の中にあります。テレビに見覚えのある景色が映ったとき、旅行の計画を立てているとき、古いアルバムを開いたとき。「そういえば、あのとき行ったところは」と、思い出話のつもりで聞くくらいがちょうどよいでしょう。

行き先と、出かけることになったいきさつを聞く

旅の話で聞きやすいのは、行き先と、出かけることになったいきさつです。「どうしてそこに行くことにしたの?」「行き先は、どうやって決めたの?」「前から行きたかった場所だった?」と聞いてみてください。誰かの記念日だった、親戚に誘われた、子どもが行きたがった。出かけることになったいきさつには、そのころの家族の事情や気持ちが表れていることがあります。

出かける前の準備のことも、聞いておきたい記録です。荷物は誰がまとめたのか、前の晩はどう過ごしたのか、出かける日の朝はどんな様子だったのか。親にとっては、出かけた先よりも、準備をしていた時間のほうがよく思い出されることもあります。

あなたが覚えている旅と、親が覚えている旅が、同じとは限りません。「わたしが覚えているのは、あの海のことなんだけど」と、あなたの記憶を手がかりに聞いてみるのも一つの方法です。

道中のことと、出かけた先で過ごした時間を聞く

「どうやって行ったの?」「どのくらいかかった?」「途中で、どこかに寄った?」。行き帰りの道中のことを聞くと、家族がどう過ごしていたかが見えてきます。電車の中で何をしていたか、車の中でどんな話をしていたか。親が話したとおりに書き留めておきましょう。

出かけた先で過ごした時間も、聞いてみてください。「何を食べた?」「どこに泊まった?」「いちばん楽しそうにしていたのは誰だった?」。道に迷った、雨に降られた、子どもが熱を出したといった、思いどおりにいかなかった話が出てくることもあります。そうした話も、今では家族の思い出の一つかもしれません。

そのころの旅や乗り物のようすは、家によっても人によってもさまざまです。聞き手のほうから「昔はこうだったんでしょう」と決めつけず、親の話をそのまま書き留めておきましょう。

写真を見ながら、写っていない場面も聞く

家族で出かけたときの写真が残っていたら、それを見ながら聞いてみてください。「これは、どこ?」「この写真を撮ったのは誰?」「このあと、どこに行ったの?」。写真が一枚あるだけで、親が思い出せることが増えることがあります。

写真には、写っていない場面もあります。写真を撮った人は、たいてい写真には写っていません。「この写真を撮ったとき、お母さんはどこにいたの?」と聞くと、撮った人の目に映っていた景色が言葉で残ります。写真から話を聞く方法は、「古い写真から、まだ言葉が取れる」の記事にまとめています。

写真が残っていなくても大丈夫です。「どんな景色だった?」「何がいちばん印象に残っている?」と聞いて、親の言葉で書き留めておけば、それも一つの記録になります。

帰省や近くへのお出かけも、家族で出かけた日の記録になる

家族で出かけた日は、遠くへの旅行だけではありません。お盆やお正月に親戚の家へ帰ったこと、休みの日に近くの公園や川へ出かけたこと、買い物のついでに寄り道をしたこと。毎年のように出かけていた場所の話には、家族の「いつもの」が詰まっています。

親のふるさとへの帰省の話から、親が生まれ育った町の話につながることもあります。そうした話を聞きたくなったら、「親のふるさとの話を聞いて残す」の記事の聞き方も参考になります。

親が家族を持つ前に、一人で、あるいは友だちと出かけた場所の話が出てくることもあります。若いころに出かけた場所の聞き方は、「親の若いころの趣味や好きだったものを、聞いて残す」の記事にまとめています。

つらい思い出や、旅先で会った人の話への配慮

家族で出かけた日の話は、どの親にとっても楽しい話とは限りません。一緒に出かけた家族が、今はもういないこともあります。家の事情で、出かけたくても出かけられなかった時期があったかもしれません。旅先で、思い出したくないことが起きた家族もいるでしょう。

この記事の聞き方は、そうしたいきさつを確かめるためのものではありません。聞き手のほうから細かく聞き出そうとしないでください。親が話しはじめたことを、話せる分だけ聞いておけば十分です。話の途中で親が言葉に詰まったり、話題を変えたりしたら、それ以上は深追いしないでください。「話してくれてありがとう」と伝えて、別の話に移れば十分です。

旅先で世話になった人や、一緒に出かけた親戚、写真に写っている家族以外の人の話が出てくることもあります。その人の暮らしや事情にかかわることは、家族の中で読む記録にとどめ、書き方に気をつけておきましょう。

あなた自身にとっても、家族で出かけた日の記憶がつらいものであることもあります。聞くことが、あなたにとって苦しい場合は、聞かないという選び方もあります。

一つの旅を一枚にまとめる、書き留め方の形

聞いた話は、一つの旅につき一枚にまとめておくと、あとで読み返しやすくなります。形はノートでも、スマホのメモでもかまいません。次の五つの欄を目安にしてみてください。

一つ目は「どこへ出かけたか」です。「海辺の町」「おばあちゃんの家」のように、短く書きます。二つ目は「いつごろ」。「わたしが三歳のころ」「弟が生まれる前」のように、親が話したとおりに書けば十分です。三つ目は「話してくれた人」。父か母か、ほかの家族かを書いておきます。四つ目は「親が言った一言」で、ここはできるだけ親の言葉どおりに残します。「あのときは、帰りの車でみんな寝ていた」のような一言が出てきたら、ここに書いておきましょう。五つ目が「聞いた日」です。

書き終えたら、いちばん下に、聞いたあなたの感想を一行添えてください。「行き先を決めたのが母だったとは知らなかった」「父が、あの旅の話をうれしそうにしていた」。親の言葉とあなたの気持ちが一枚に並ぶと、出かけた日の話が、家族の記録になります。

全部の欄が埋まらなくても大丈夫です。空いた欄は、次に聞く問いの手がかりになります。

Q. 家族で旅行に出かけたことが、ほとんどありません

泊まりがけの旅行に出かけたことがなくても、家族で出かけた日の話が聞けないわけではありません。「休みの日は、どこかに出かけていた?」「近所で、よく行った場所はある?」「本当は、家族で行ってみたかった場所はある?」と聞いてみてください。

「行きたかったけれど、行けなかった」という話も、大切な記録です。ただ、出かけられなかったいきさつには、家の事情がかかわっていることもあります。親が話したそうなら聞き、話が出てこないときは、無理に続けなくてかまいません。その日は、親が話したいことを聞く日にしても十分です。

Q. 親と自分で、覚えていることが違います

同じ旅のことでも、親とあなたで覚えていることが違うことがあります。行き先や、出かけた年、そこで何があったか。どちらが正しいかを決めなくてかまいません。

親の話は親の言葉で、あなたの覚えていることはあなたの言葉で、同じ紙に並べて書いておきましょう。覚えていることの違いも、家族それぞれがその日をどう過ごしたかを伝える記録です。違いをそのまま残す考え方は、「『それ、違うと思う』と言いたくなったら──記憶違いのまま残す、という選び方」の記事にまとめています。

Q. きょうだいにも、覚えている旅のことを聞いてみたい

同じ旅でも、きょうだいによって覚えている場面が違うことがあります。親に聞いた話を書き留めた紙を見せて、「この旅のこと、何か覚えている?」と聞いてみるのも一つの方法です。きょうだいの覚えていることは、きょうだいの言葉で、同じ紙の別の欄に書き足しておきましょう。

離れて暮らすきょうだいがいれば、聞く旅を分けてみるのもよいでしょう。きょうだいで分担して聞くときの進め方は、「きょうだいで分担して親の言葉を集める」の記事にまとめています。

家族で出かけた日の話を、一冊の言葉にまとめるには

聞いた話や、親が口にした一言は、ノートやファイルにまとめておくのも一つの方法です。想い伝(おもいでん)は、いくつかの質問に答えるだけで、あなたが残した言葉を読みやすい一冊の本に整えるサービスです。家族の思い出や親への感謝などを、問いに答えながら書き進められます。本になるのは、あなたが書いた言葉そのものです。

書きかけの内容はお使いの端末に保存され、当社のサーバーには保存されないしくみです。今日は行き先の話だけ、次に会ったときに道中の話を、というように、少しずつ書き足しながら仕上げることができます。

今日、ひとつだけ書いてみてください。「家族で出かけた場所」の名前を一行だけ。分からなければ、それが親に聞く最初の質問になります。その一行から、あなたの知らなかった、家族で出かけた日のことが、家族の言葉として残り始めます。

この記事について

想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。

公開日:

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