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想いを残す約8分

孫へ残す言葉の書き方 いつか読む日のために、今の気持ちを書き留める

孫へ何か言葉を残したい。けれど、何を書けばいいのか分からない。そんな方へ、孫が大きくなってから読む日を思い浮かべながら、今の気持ちや一緒に過ごした場面をやさしく書き留める手がかりをまとめました。上手な文章でなくて大丈夫です。

孫へ残す言葉は、何から書けばいい?

この記事を読むと、孫へ残す言葉を書くときの考え方と、書き始めるための手がかりが分かります。結論から言うと、立派な教えを考えるより先に、「あなたがいてくれてうれしい」という今の気持ちと、一緒に過ごした小さな場面を、短く書き留めるところから始めれば十分です。

孫へ言葉を残したいと思っても、いざ紙に向かうと手が止まることがあります。「何か役に立つことを書かなければ」「きちんとした文章にしなければ」と考えるほど、最初の一行が重くなってしまうからです。

けれど、孫がいつか読み返したときに心に残るのは、教訓よりも、自分がどれだけ大切に思われていたかが伝わる言葉なのかもしれません。まずは肩の力を抜いて、思いついたひとことから書いてみましょう。

孫がその言葉を読むのは、いつ?

書く前に、孫がその言葉を読む日を、ひとつ思い浮かべてみてください。小学校に上がるとき、成人を迎えるとき、進学や就職で新しい暮らしを始めるとき。あるいは、ずっと先、孫自身が親になったときかもしれません。

読む日が決まると、書く言葉の調子も自然に決まってきます。幼いうちに読み聞かせてもらうなら、やさしい言葉で短く。大人になってから読むなら、あなたが若かった頃の話や、迷ったときにどう考えてきたかを書き添えるのもよいでしょう。

ひとつに決めきれなくても大丈夫です。「今読んでもらう言葉」と「大人になってから読んでほしい言葉」を、少しずつ書き分けておくという方法もあります。

孫が何人かいる場合は、一人ひとりに宛てて書くと、それぞれが「自分への言葉」として受け取れます。同じ文面を書き写すより、その子との思い出をひとつずつ添えるのがおすすめです。

書くことが思いつかないときの、五つの手がかり

何を書けばいいか迷ったら、次の手がかりから一つ選んでみてください。一つ目は、孫が生まれたと聞いた日のこと。どこで知らせを受け、どんな気持ちになったか。二つ目は、一緒に過ごした中で心に残っている場面です。いつもの散歩道、台所でのお手伝い、帰りぎわに振ってくれた小さな手。

三つ目は、孫の好きなところです。笑い方やこだわり、ちょっとした優しさなど、具体的であるほど、読んだときに「見ていてくれたんだ」と伝わります。四つ目は、あなた自身の子ども時代の話。孫と同じ年頃に、どんな遊びをして、何に夢中になっていたか。

五つ目は、これからへの願いです。ただし、願いは「こうなってほしい」という注文の形より、「どんな道を選んでも応援している」という形にしておくと、受け取る側の負担になりにくくなります。

手がかりは、全部使わなくてかまいません。ひとつの場面について三、四行書けたら、それでもう一通の手紙になります。書きながら別の場面を思い出したら、そのときに続きを書き足せば大丈夫です。

写真や絵と一緒に残すと、どう伝わる?

言葉だけでなく、一緒に写った写真を添えておくと、読む側にとって場面が思い浮かびやすくなります。写真の裏や余白に、「〇年の夏、川で遊んだ日」と一行書いておくだけでも十分です。

孫が描いてくれた絵や、もらった手紙を大切に取ってあるなら、そのことも書き残しておきましょう。「この絵は、冷蔵庫にずっと貼っていたよ」。そんなひとことから、孫は、自分がどれほど大切にされていたかを知ることになります。

写真を選ぶときに迷ったら、上手に撮れた一枚より、そのときの空気が伝わる一枚を。ピントが少しずれていても、笑い声が聞こえてきそうな写真が、いちばんの手がかりになることがあります。

教えや注文より、「見ていたよ」を書くとよいのはなぜ?

孫へ言葉を残そうとすると、つい人生の教えや、守ってほしいことを書きたくなります。その気持ちは自然なものです。ただ、読む側からすると、教えばかりが並んでいると、少し窮屈に感じることがあるかもしれません。

代わりに書いておきたいのが、「あなたのこんなところを見ていたよ」という言葉です。「転んでも泣かずに立ち上がったね」「お花に水をあげるのが好きだったね」。こうした場面は、孫本人も覚えていないことが多く、あとから読むと、幼い自分が大切に見守られていたことを知る手がかりになります。

どうしても伝えたい教えがあるときは、「おじいちゃん(おばあちゃん)は、こう考えてきたよ」と、あなたの経験として書いてみてください。押しつけではなく、ひとつの生き方の記録として、受け取りやすくなります。

孫の年齢に合わせて、言葉をどう選ぶ?

幼い孫に向けて書くときは、一文を短く、やさしい言葉を選びましょう。家族に読み聞かせてもらうことを考えて、一度声に出して読んでみるのも一つの方法です。読みやすい長さかどうかが、自然に分かります。

小学生や中学生くらいの孫なら、一緒に過ごした思い出に加えて、あなたが同じ年頃に感じていたことを書くと、身近に感じてもらいやすくなります。勉強や友だちのこと、うまくいかなかったことも、そのまま書いてかまいません。

大人になってから読んでほしい言葉は、少し先の時間を想像しながら書きます。仕事や家族のことで迷ったとき、あなたならどう考えるか。答えを示すというより、そっと隣に座るような言葉が、長く支えになることがあります。

上手に書けなくても、大丈夫?

文章に自信がない、字がきれいではない、と書くのをためらう方もいます。けれど、孫にとって大切なのは、言葉の上手さよりも、あなたが自分のために時間を使って書いてくれたということのほうかもしれません。

ふだんの呼びかけ方や口ぐせを、そのまま書くのもよい方法です。「〇〇ちゃん、元気にしてる?」といった話し言葉のほうが、読んだときに、あなたの声が聞こえてくるように感じられます。

手書きにするか、パソコンやスマートフォンで打つかも、気楽に選んでかまいません。手書きの文字には、その人らしさがにじみます。打ち込んだ文字には、読みやすく、あとから書き直しや並べ替えがしやすいという良さがあります。自分が続けやすいほうを選ぶのがいちばんです。

一度に全部を書こうとしなくても大丈夫です。季節ごと、孫の誕生日ごとに、少しずつ書き足していけば、それ自体が、孫と過ごした年月の記録になっていきます。

書いた言葉は、すぐ渡す? しまっておく?

書いた言葉をいつ渡すかは、人それぞれです。誕生日や入学のお祝いに添えてそのときに手渡す方もいれば、孫が大人になるまで大切にしまっておく方もいます。どちらが正しいということはありません。

今渡す言葉には、孫の様子をその場で見られるうれしさがあります。照れくさそうに笑ったり、何度も読み返したり。その姿もまた、あなたにとっての思い出になります。

先の日に読んでほしい言葉は、封筒に「二十歳になったら開けてね」などと書き添えておく方法もあります。しまっておく場合は、孫の親にあたる家族などに、置き場所と渡してほしい時期を伝えておくと、想いが届きやすくなります。

お金や財産のことは、どう分けて考える?

孫へ残す言葉は、気持ちや思い出を伝えるためのものです。財産を誰にどう引き継ぐかといった、法的な意味を持たせたい内容は、遺言書という別の仕組みで扱われます。想い伝で残す言葉は遺言ではなく、遺言書の代わりにはなりません。

遺言書には決められた形式があり、法務省の「自筆証書遺言書保管制度」のように、自分で書いた遺言書を法務局で保管してもらう仕組みもあります。どの方法が向くか、形式を満たしているかは、弁護士・司法書士などの専門家や公的な窓口に確かめながら進めると安心です。違いについては、「遺言書と『想いを残す』は、どう違う?」の記事でもまとめています。

気持ちの言葉と、法的な備え。役割を分けておくと、どちらも落ち着いて進められます。孫への言葉には、お金や物の話を無理に書き込まず、あなたの想いを、のびのびと綴ってみてください。

書いた言葉を、一冊にまとめて残すには?

書き留めた言葉は、便せんやノートに残しておくのも一つの方法です。孫が大きくなるまで時間がある場合は、どこにしまったかを、家族の誰かに伝えておくと安心です。

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今日、孫の顔を思い浮かべながら、ひとことだけ書いてみてください。「あなたに会えて、うれしかったよ」。その一行が、いつか孫の手元で、あなたの声になって届くかもしれません。

参考

この記事について

想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。

公開日:

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