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家族の対話約8分

家のお正月の過ごし方を、親に聞いて残す 年越しから三が日まで、わが家の「いつもの」を書き留める

「昔のお正月って、どう過ごしていたの?」。年越しの夜の過ごし方、元日の朝のあいさつ、親戚の集まりやお年玉の思い出。家ごとに違うお正月の過ごし方は、どこにも書かれていません。帰省の時期に切り出しやすい問い、目の前の飾りや道具を手がかりにする方法、変わった習わしへの心づかいまで、親の言葉で書き留める手順をまとめました。

お正月の過ごし方は、家ごとに違うのに、どこにも書かれていない

この記事を読むと、家のお正月の過ごし方を親に聞いて、親の言葉のまま書き留める手順が分かります。結論から言うと、一度に全部を聞こうとせず、「年越しの夜」「元日の朝」「三が日の集まり」の三つを、一つずつ聞くこと。そして、聞いた話を、親の言葉とあなたの感想を並べて一枚ずつ残すこと。この二つで、毎年なんとなく繰り返してきたお正月が、家族で読み返せる記録になります。

大晦日に何を食べるか、元日の朝に最初に何をするか、誰の家に集まるか。お正月の過ごし方は、家によって少しずつ違います。けれど、その多くは親が親から受け継ぎ、毎年の手の動きで覚えてきたもので、紙に書かれていることはほとんどありません。毎年そばで見ていても、「なぜそうするのか」「いつからそうなったのか」は、聞かないと分からないままです。

お正月の話は、親の話を聞く入口としても向いています。「これまでの人生を聞かせて」と頼まれると構えてしまう親も、「昔のお正月って、どうしてた?」と聞かれれば、子どものころの景色を思い浮かべながら話し始められることがあります。帰省で実家にいる時期なら、目の前の飾りや食卓が、そのまま話のきっかけになります。

最初の問いは「昔はどうしてた?」くらいでいい

いきなり「わが家のお正月のしきたりを全部教えて」と頼むと、親も何から話せばいいか迷います。最初の問いは、答えが一言で済む小さなものにしましょう。「大晦日の夜は、何をしていた?」「元日の朝、最初にすることは何だった?」「子どものころのお正月で、何がいちばん楽しみだった?」。このくらいの問いなら、親も気軽に答えられます。

答えが返ってきたら、そこから一つだけ問いを足してみてください。「テレビを見ていた」と聞けば「家族みんなで? どんな番組?」。「おばあちゃんの家に集まった」と聞けば「どのくらいの人が来ていた?」。一つの答えに一つの問いを重ねていくと、そのころのお正月の様子が少しずつ見えてきます。

聞く場面は、改まった席でなくてかまいません。大掃除の合間や、年越しそばを待つあいだ、お雑煮を食べながら。「そういえば、昔はどうしてたの?」と、ついでのように聞くくらいがちょうどよいでしょう。帰省のあいだの話の順番や、その場での残し方は、「年末年始の帰省で、親の話をどう聞き、どう残すか」の記事にもまとめています。

親が子どもだったころのお正月と、あなたが子どもだったころのお正月

お正月の話には、二つの時代があります。一つは、親が子どもだったころのお正月。親の親、つまりあなたの祖父母の家での過ごし方です。もう一つは、親があなたのためにつくってきたお正月。あなたが子どものころに過ごしたお正月です。

二つを並べて聞くと、家の歴史が見えてきます。「お父さんが子どものころは、元日に何をしていた?」「それは、今のうちのやり方と同じ?」。同じところがあれば、それは代々続いてきた習わしかもしれません。違うところがあれば、「いつから今のやり方になったの?」と聞いてみてください。引っ越しや結婚、きょうだいの独立など、家族の節目と重なっていることがあります。

親が育った土地と、今の家の土地が違う場合は、お正月の過ごし方にもふるさとの名残があるかもしれません。お正月に帰っていた親のふるさとの話も聞いてみたくなったら、「親のふるさとの話を聞いて残す」の記事も参考にしてください。

年越しの夜と、元日の朝を聞く

年越しの夜については、「大晦日は、何時ごろまで起きていた?」「年越しそばは食べていた?」「除夜の鐘は聞こえた?」のように、場面を一つずつ示して聞くと答えやすくなります。大掃除の分担や、年の瀬の買い出しの話から、そのころの暮らしぶりが見えてくることもあります。

元日の朝は、家ごとの違いがいちばん出やすい場面です。「最初に誰が起きていた?」「新年のあいさつは、どんなふうにしていた?」「初詣は、どこへ行っていた?」。お雑煮の餅の形や味つけも、家によってさまざまです。「うちのお雑煮は、誰から教わった味?」と聞くと、料理の話から親の親の話へとつながることがあります。

お正月の料理の作り方や、台所の思い出をくわしく聞きたくなったら、「親の料理と『家の味』を、言葉と一緒に残す」の記事にまとめた進め方が使えます。お正月の話では、作り方よりも、その料理を囲んでいた場面を聞くことを大切にしてみてください。

親戚の集まりや、お年玉の思い出を聞く

三が日に親戚が集まっていた家では、その集まりの話にも、親にしか語れない場面があります。「誰の家に集まっていた?」「どんな人が来ていた?」「子どもたちは、何をして遊んでいた?」。かるたや福笑い、凧あげ、書き初めなど、そのころの遊びの話から、親の子ども時代の顔が見えてくることもあります。

お年玉の思い出も、聞きやすい話題の一つです。「初めてもらったお年玉で、何を買った?」「誰からもらうのが楽しみだった?」。金額をくわしく聞く必要はありません。うれしかったこと、使い道に迷ったこと、親に預けたことなど、そのときの気持ちを聞いてみてください。

親戚の集まりの話には、もう会えなくなった人が出てくることもあります。「あのおじさんは、毎年何をしていた?」と聞くと、親が懐かしそうに話し出すこともあれば、言葉少なになることもあります。親の様子を見ながら、話したいところまで聞くようにしましょう。

目の前の飾りや道具を、話の手がかりにする

帰省のあいだは、実家にあるお正月の飾りや道具が、話の手がかりになります。鏡もちやしめ飾り、重箱、お屠蘇の器、毎年出してくる座布団。「この重箱、いつから使ってるの?」「この飾りは、誰が選んだの?」と聞くと、物にまつわる思い出が出てくることがあります。

昔のお正月の写真が残っていれば、一緒に見ながら聞くのもよい方法です。写っている人や着ている服、部屋の様子から、「この年は雪が多かった」「このころは、まだ前の家に住んでいた」と、話が広がることがあります。写真を手がかりに聞く進め方は、「古い写真から、まだ言葉が取れる」の記事でも紹介しています。

古い年賀状が残っている家もあります。ただ、年賀状は親と差出人とのあいだのものです。見せてもらえるかどうかは、親が決めることです。「見てもいい?」と聞いて、断られたら無理に頼まないでください。見せてもらえた場合も、書き留めるのは親が「残していい」と言った部分だけにしましょう。

変わった習わし、やめた習わしにも、無理に踏み込まない

お正月の過ごし方は、年月とともに変わっていきます。親戚が集まらなくなった、おせちを手づくりしなくなった、喪中でお正月を控えた年があった。どの家にも、そうした移り変わりがあります。

変わったことを、責めるように聞かないでください。「昔はちゃんとやっていたのに」と言われると、親は答えにくくなります。「いつごろから、今のやり方になったの?」と、変わったこと自体を家の歴史の一つとして聞けば、親も話しやすくなります。

話の途中で親が言葉に詰まったり、話題を変えたりしたら、それ以上は深追いしないでください。「話してくれてありがとう。また来年、続きを聞かせてね」と伝えて、別の話に移れば十分です。お正月は毎年めぐってきます。今年聞けなかった話は、次のお正月に聞けばよいのです。

聞いた話を一枚にまとめる、書き留め方の形

聞いた話は、場面ごとに一枚にまとめておくと、あとで読み返しやすくなります。形はノートでも、スマホのメモでもかまいません。次の五つの欄を目安にしてみてください。

一つ目は「何の場面か」です。「大晦日の夜」「元日の朝」「親戚の集まり」のように、短く書きます。二つ目は「話してくれた人」。父か母か、両方かを書いておきます。三つ目は「いつごろの話か」で、「親が子どもだったころ」「あなたが小さかったころ」のように、どの時代のお正月かを書きます。四つ目は「親が言った一言」で、ここはできるだけ親の言葉どおりに残します。五つ目が「聞いた日」です。何年のお正月に聞いた話かが分かると、あとで読み返すときの手がかりになります。

書き終えたら、いちばん下に、聞いたあなたの感想を一行添えてください。「元日の朝の決まりごとが、祖母から続いていたと初めて知った」「父が子どものころは、三が日ずっと親戚の家にいたのが意外だった」。親の記憶とあなたの気持ちが一枚に並ぶと、お正月の話が、家族の記録になります。

きょうだいがいる場合は、それぞれが覚えているお正月を持ち寄るのもよい方法です。同じお正月でも、年の差によって覚えている場面が違うことがあります。分担の仕方や、重なった話の整え方は、「きょうだいで分担して親の言葉を集める」の記事にまとめています。

Q. 今年は帰省できません。それでも聞けますか

帰省できない年でも、話は聞けます。年末やお正月に電話をかけたとき、「そういえば、昔の大晦日ってどうしてた?」と、一つだけ聞いてみてください。一回の電話で一つの問いなら、親も負担に感じにくいものです。

聞いた答えは、電話を切ったらすぐにメモしておきましょう。次に会えたときに、そのメモを見せながら「この続きを聞かせて」と頼めば、話の続きが自然に始められます。

Q. 親が「うちは特別なことは何もしていない」と言います

自分の家のお正月を、特別なものだと思っていない親は少なくありません。そんなときは、大きな行事ではなく、小さな場面を聞いてみてください。「元日の朝ごはんは、いつもと違った?」「お正月だけ出てくる食器はある?」といった問いのほうが、答えやすいものです。

親にとっては当たり前のことでも、子どもにとっては、毎年そこにあった家族の景色です。「覚えていることだけでいいよ」と伝えて、一つでも聞けたことを書き留めましょう。

Q. 聞いた習わしは、同じように続けたほうがいいですか

聞いた習わしを、同じように続けるかどうかは、あなたや家族が決めることです。暮らし方が変われば、お正月の過ごし方が変わるのも自然なことです。続けられないことがあっても、話を書き留めておけば、その習わしがあったことは家族の記録として残ります。

一つだけ続けてみたいことが見つかったら、次のお正月に親と一緒にやってみるのもよい方法です。「昔はこうしていたんだよね」と話しながら過ごすお正月は、聞いた話を確かめる時間にもなります。

家のお正月の話を、一冊の言葉にまとめるには

聞いた話や、親が口にした一言は、ノートやファイルにまとめておくのも一つの方法です。想い伝(おもいでん)は、いくつかの質問に答えるだけで、あなたが残した言葉を読みやすい一冊の本に整えるサービスです。家族の思い出や親への感謝などを、問いに答えながら書き進められます。本になるのは、あなたが書いた言葉そのものです。

書きかけの内容はお使いの端末に保存され、当社のサーバーには保存されないしくみです。今年は年越しの夜の話だけ、次のお正月に元日の朝の話を、というように、少しずつ書き足しながら仕上げることができます。

今日、ひとつだけ書いてみてください。「わが家の元日の朝、最初にすること」を一行だけ。分からなければ、それが親に聞く最初の質問になります。その一行から、毎年めぐってきたお正月の、家族の物語が見えてきます。

この記事について

想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。

公開日:

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