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家族の対話約8分

祖父母のことを、親に聞いて残す 会えなかった人、覚えていない人の姿を、親の言葉で書き留める

「おじいちゃんって、どんな人だった?」。親の親である祖父母のことは、親がいちばんよく知っています。早くに亡くなった人や、小さくて覚えていない人の姿も、親の言葉でなら残せます。小さな問いから始める聞き方、父方と母方を分けて聞く工夫、写真や形見を手がかりにする方法、話しにくい思い出への心づかいまで、祖父母の話を親の言葉で書き留める手順をまとめました。

祖父母のことを語れるのは、もう親だけかもしれない

この記事を読むと、祖父母(親の親)のことを親に聞いて、親の言葉のまま書き留める手順が分かります。結論から言うと、「どんな人だった?」と人柄を丸ごと聞こうとせず、「何の仕事をしていた?」「よく言っていた口ぐせは?」のような小さな場面を、一つずつ聞くこと。そして、聞いた話を、親の言葉とあなたの感想を並べて、祖父母一人につき一枚ずつ残すこと。この二つで、写真の中の人だった祖父母が、家族で読み返せる言葉の記録になります。

あなたが生まれる前に亡くなった祖父母や、小さかったころに少しだけ会った祖父母。その人たちのことを、子どもの立場から間近で見てきたのは、あなたの親です。どんな声で話し、何を大切にし、どんなふうに親を育てたのか。親の記憶の中にしかない祖父母の姿は、聞かないかぎり、誰にも伝わらないままになります。

祖父母の話は、親自身の子ども時代の話でもあります。「お父さんのお父さんって、どんな人だった?」と聞かれると、親は自分が子どもだったころの家の様子を思い浮かべながら話すことになります。「自分のことを聞かせて」と頼まれると構えてしまう親も、自分の親のことなら話し始めやすいことがあります。

最初の問いは「どんな人だった?」より小さくていい

「おじいちゃんは、どんな人だった?」という問いは、聞く側には自然でも、答える側には大きすぎることがあります。最初の問いは、一言で答えられるものにしましょう。「おじいちゃんは、何の仕事をしていた?」「おばあちゃんの得意な料理は何だった?」「よく言っていた口ぐせはある?」。このくらいの問いなら、親も気軽に答えられます。

答えが返ってきたら、そこから一つだけ問いを足してみてください。「畑をしていた」と聞けば「お父さんも手伝ったことはある?」。「無口な人だった」と聞けば「それでも、何か言われて覚えている言葉はある?」。一つの答えに一つの問いを重ねていくと、祖父母の姿が少しずつ形になっていきます。

聞く場面は、改まった席でなくてかまいません。お盆や法事で集まったとき、仏壇に手を合わせたあと、祖父母の家があった町を通りかかったとき。「そういえば、おじいちゃんって」と、ついでのように聞くくらいがちょうどよいでしょう。親の昔の話を聞くときの全体の進め方は、「親の昔話・思い出を聞いて残すには」の記事にもまとめています。

あなたの祖父母は、親にとっての「父」と「母」

あなたにとっては祖父母でも、親にとっては、自分を育ててくれた父と母です。祖父母のことを聞くときは、親を育てた人としての姿を聞いてみてください。「子どものころ、叱られたことで覚えているのは?」「ほめられてうれしかったことはある?」「家を出るとき、何か言われた?」。

親が親になってから、自分の父や母に似てきたと感じることがあるかどうかを聞くのもよい方法です。「気づいたら、自分も同じことを言っている」と笑う親もいます。家の中で、祖父母から親へ、親からあなたへと受け継がれてきた言葉が見つかることもあります。

親の口から、祖父母が言っていた言葉がそのまま出てきたら、できるだけ言いまわしを変えずに書き留めておきましょう。方言や口ぐせは、書き直すと、その人らしさが薄れてしまいます。

父方と母方は、分けて聞く

父方の祖父母のことは父に、母方の祖父母のことは母に聞くのが基本です。自分の親のことは、それぞれがいちばんよく知っています。両親がそろっている席で聞くと、どちらか一方の話ばかりになることもあるので、別々の機会に聞くのも一つの方法です。

もう一方の親から見た姿を聞くと、別の顔が見えてくることがあります。「お母さんから見て、お父さんのお父さんはどんな人だった?」。ただし、義理の親についての話は、言いにくいこともあります。答えにくそうなら、無理に続けないでください。

祖父母が暮らしていた土地が、親のふるさとと重なる場合は、景色や暮らしの話も一緒に聞けます。祖父母の家のまわりの様子や、そこでの暮らしをくわしく聞きたくなったら、「親のふるさとの話を聞いて残す」の記事も参考にしてください。

祖父母が生きた時代と、家に残った習わしを聞く

祖父母の生い立ちは、親もくわしく知らないことがあります。「おじいちゃんがどこで生まれたか、聞いたことはある?」「おばあちゃんとどうやって結婚したか、聞いたことはある?」。親が祖父母から聞いた話は、また聞きであっても、家族にとって大切な手がかりです。

親が「それは知らない」と答えたら、そのことも書き留めておきましょう。「父も知らない」と残しておけば、あとで親戚に聞くときの手がかりになります。分からないことが分かるのも、記録の一つです。

お正月の過ごし方や、法事のやり方、毎年作る料理など、祖父母の代から続いている家の習わしもあります。「これは、おばあちゃんから教わったの?」と聞くと、習わしの話から祖父母の話へとつながることがあります。お正月の場面ごとの聞き方は、「家のお正月の過ごし方を、親に聞いて残す」の記事にまとめています。

写真や形見を、話の手がかりにする

祖父母の写真や、使っていた道具は、話の手がかりになります。アルバムの一枚、仏壇の写真、形見の時計や湯のみ。「この写真は、いつごろのもの?」「この時計は、おじいちゃんがいつも着けていたの?」と聞くと、物にまつわる思い出が出てくることがあります。

写真を見ながら聞くときは、写っている人の名前と、いつ、どこで撮ったものかを書き留めておきましょう。親が分かるうちに聞いておかないと、あとで誰も分からなくなってしまいます。写真を手がかりに聞く進め方は、「古い写真から、まだ言葉が取れる」の記事でも紹介しています。

祖父母の手紙や手帳が残っている家もあります。ただ、手紙は祖父母と差出人とのあいだのものです。見せてもらえるかどうかは、親が決めることです。きょうだいや親戚と分けて受け継いだ形見なら、ほかの家族の気持ちもあります。「見てもいい?」と聞いて、断られたら無理に頼まないでください。見せてもらえた場合も、書き留めるのは親が「残していい」と言った部分だけにしましょう。

話しにくい思い出には、無理に踏み込まない

親と祖父母との関係は、家によってさまざまです。厳しく育てられた、早くに別れた、折り合いがよくなかった、最期をみとるまでにいろいろなことがあった。どれも、親にとってはすぐに言葉にできる話ではないかもしれません。

話の途中で親が言葉に詰まったり、話題を変えたりしたら、それ以上は深追いしないでください。「話してくれてありがとう」と伝えて、別の話に移れば十分です。よい思い出だけを集める必要も、つらい話を引き出す必要もありません。親が話したいところまでを、そのまま受け取りましょう。

親と、おじやおばとで、覚えている祖父母の姿が違うこともあります。どちらが正しいかを決めずに、それぞれの言葉を並べて残せば、一人の人をいくつもの目で見た記録になります。記憶の違いとの向き合い方は、「『それ、違うと思う』と言いたくなったら」の記事にまとめています。

聞いた話を一人一枚にまとめる、書き留め方の形

聞いた話は、祖父母一人につき一枚にまとめておくと、あとで読み返しやすくなります。形はノートでも、スマホのメモでもかまいません。次の五つの欄を目安にしてみてください。

一つ目は「誰のことか」です。「父方の祖父」「母方の祖母」のように書き、分かれば名前も添えます。二つ目は「話してくれた人」。父か母か、ほかの家族かを書いておきます。三つ目は「いつごろの話か」で、「親が子どもだったころ」「あなたが生まれたころ」のように書きます。四つ目は「親が言った一言」で、ここはできるだけ親の言葉どおりに残します。祖父母の口ぐせが出てきたら、かぎかっこで囲んでおきましょう。五つ目が「聞いた日」です。

書き終えたら、いちばん下に、聞いたあなたの感想を一行添えてください。「無口だと思っていた祖父が、父にはよく冗談を言っていたと初めて知った」「母の料理の味つけが、祖母ゆずりだと分かった」。親の記憶とあなたの気持ちが一枚に並ぶと、祖父母の話が、家族の記録になります。

親も知らなかったことは、紙の端に「まだ分からないこと」として書き出しておくと、次に聞く問いになります。

Q. 祖父母はもう亡くなっていて、親もあまり覚えていないようです

親が覚えていることが少なくても、一つあれば十分です。人柄を聞くより、「声はどんな感じだった?」「家のどこによく座っていた?」「好きだった食べものは?」のように、小さな記憶を聞いてみてください。一つの場面から、ほかの思い出がよみがえることもあります。

おじやおばなど、祖父母を知る親戚がいれば、親の了解を得たうえで聞いてみるのも一つの方法です。親の記憶と違う話が出てきても、そのまま並べて残しましょう。

Q. 祖父母はまだ元気です。親より本人に聞いたほうがいいですか

祖父母本人に聞けるなら、本人の言葉で残すのもよい方法です。ただ、親が子どもの立場から見てきた祖父母の姿は、本人の話とはまた別のものです。両方を残しておくと、一人の人を二つの目で見た記録になります。

本人に聞く場合も、親に聞くときと同じように、小さな問いから始めて、話したいところまでを聞くようにしましょう。

Q. 聞いた話を、いとこや親戚と分け合ってもいいですか

祖父母は、いとこにとっても祖父母です。聞いた話を分け合うと、喜ばれることもあります。ただ、親が話してくれたことの中には、親族には知られたくない内容が含まれていることもあります。

分け合う前に、親に「この話、いとこにも見せていい?」と確かめてください。見せるのは、親が「いい」と言った部分だけにしましょう。

祖父母の話を、一冊の言葉にまとめるには

聞いた話や、親が口にした一言は、ノートやファイルにまとめておくのも一つの方法です。想い伝(おもいでん)は、いくつかの質問に答えるだけで、あなたが残した言葉を読みやすい一冊の本に整えるサービスです。家族の思い出や親への感謝などを、問いに答えながら書き進められます。本になるのは、あなたが書いた言葉そのものです。

書きかけの内容はお使いの端末に保存され、当社のサーバーには保存されないしくみです。今日は父方の祖父の話だけ、次に会ったときに母方の祖母の話を、というように、少しずつ書き足しながら仕上げることができます。

今日、ひとつだけ書いてみてください。「祖父母が言っていた口ぐせ」を一行だけ。分からなければ、それが親に聞く最初の質問になります。その一行から、会えなかった人や覚えていない人の姿が、家族の言葉として残り始めます。

この記事について

想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。

公開日:

あなたの想いも、一冊の本に

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