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家族の対話約8分

家で飼っていた生きもののことを、親に聞いて残す 犬や猫、小鳥や金魚との暮らしを、親の言葉で書き留める

「あの犬の名前は、誰がつけたの?」。家で一緒に暮らした犬や猫、小鳥や金魚の話は、家族の暮らしの話でもあります。けれど、あなたが小さかったころや、生まれる前にいた生きもののことは、親の記憶の中にだけ残っていることがあります。答えやすい問いから始める聞き方、名前や家に来た日の聞き方、毎日の世話の聞き方、写真を見ながら聞くこつ、別れの話への配慮まで、家の生きものの話を親の言葉で残す手順をまとめました。

家の生きものの話は、家族の暮らしの話でもある

この記事を読むと、家で一緒に暮らした生きもののことを親に聞いて、親の言葉のまま書き留める手順が分かります。結論から言うと、「どんな生きものを飼っていた?」と大きく聞こうとせず、「あの犬の名前は、誰がつけたの?」のように、一つのことだけを聞くこと。そして、聞いた話を、親の言葉とあなたの感想を並べて、一つの生きものにつき一枚ずつ残すこと。この二つで、家族と生きものが過ごした毎日が、家族で読み返せる言葉の記録になります。

犬や猫、小鳥、金魚、亀。家で一緒に暮らした生きものの話をすると、誰が散歩に連れて行ったか、誰がえさをあげていたか、どこで寝ていたかといった、そのころの家の様子も一緒に出てきます。生きものの話は、家族がどう暮らしていたかを伝える話でもあります。

あなたが小さかったころや、生まれる前に家にいた生きもののことは、自分では覚えていないかもしれません。親の記憶の中にだけ残っている話もあります。この記事では、そうした話を親の言葉で聞いて残す方法をまとめます。生きものの育て方や世話のしかたを説明するものではありません。

最初の問いは「あの犬の名前は、誰がつけたの?」くらいでいい

最初の問いは、一つのことにしぼると答えやすくなります。「あの犬の名前は、誰がつけたの?」「あの猫は、どこで寝るのが好きだった?」「金魚には、何をあげていた?」。このくらいの問いなら、親も、思い出したことをそのまま話せます。

答えが返ってきたら、そこから一つだけ問いを足してみてください。「お父さんがつけた」と聞けば「どうしてその名前にしたの?」。「こたつの中で寝ていた」と聞けば「夏は、どこにいた?」。一つの答えに一つの問いを重ねていくと、生きものと家族が過ごした毎日の様子が見えてきます。

聞くきっかけは、ふだんの会話の中にあります。散歩中の犬とすれ違ったとき、テレビに猫が映ったとき、古いアルバムに生きものが写っていたとき。「そういえば、うちにいたあの子は」と、思い出話のつもりで聞くくらいがちょうどよいでしょう。

名前と、家に来た日のことを聞く

生きものの話で聞きやすいのは、名前と、家に来た日のことです。「どうして飼うことになったの?」「どこから来たの?」「家に来た日のこと、覚えている?」と聞いてみてください。知り合いから譲ってもらった、子どもにせがまれた、庭に迷いこんできた。家に来たいきさつには、そのころの家族の事情や気持ちが表れていることがあります。

名前の由来も、聞いておきたい記録です。誰がつけたのか、ほかにどんな名前の候補があったのか、家族の中だけの呼び方はあったのか。名前一つから、そのころの家族のやりとりが思い出されることがあります。

家に来たころの写真が残っていれば、それを見ながら聞くのもよい方法です。写真を手がかりにした聞き方は、このあとの節でまとめています。

毎日の世話を、誰がしていたかを聞く

「散歩には、誰が連れて行っていた?」「えさは、誰があげていた?」「具合が悪いとき、病院に連れて行くのは誰だった?」。毎日の世話を誰がしていたかを聞くと、家族それぞれの役割や、そのころの一日の流れが見えてきます。

世話の話をしていると、「いちばんかわいがっていたのは、実はお母さんだった」「反対していたお父さんが、いちばん散歩に行っていた」のように、家族の意外な一面が出てくることがあります。そうした話も、親の言い方のまま書き留めておきましょう。

生きものの世話は、子育てと重なっていた時期もあるかもしれません。忙しい毎日の中で、生きものとどう過ごしていたかを聞くと、そのころの家の様子がより分かりやすくなります。子育てのころの話全体については、「親の子育てのころの話を、聞いて残す」の記事にまとめています。

写真を見ながら聞く

家に生きものの写真が残っていたら、それを見ながら聞いてみてください。「これは、いつごろ?」「この写真を撮ったのは誰?」「このとき、どこにいたの?」。写真が一枚あるだけで、親が思い出せることが増えることがあります。

写真に写っている人のことも、一緒に聞いておくとよいでしょう。生きものと一緒に写っている子どもが誰なのか、そばにいるのは誰なのか。今のうちに聞いておかないと、分からなくなってしまうこともあります。写真から話を聞く方法は、「古い写真から、まだ言葉が取れる」の記事にまとめています。

写真が残っていなくても大丈夫です。「どんな色だった?」「どのくらいの大きさだった?」と聞いて、親の言葉で姿を書き留めておけば、それも一つの記録になります。

親が子どものころに一緒にいた生きもののことを聞く

親自身が子どものころに、家や近所で生きものと過ごしていたこともあるかもしれません。「小さいころ、家に生きものはいた?」「近所に、よく遊んだ犬や猫はいた?」と聞いてみてください。

親が子どものころの暮らしは、あなたが知っている家の暮らしとは違っていることがあります。どんな生きものと、どんなふうに過ごしていたかは、家によっても人によってもさまざまです。聞き手のほうから「昔はこうだったんでしょう」と決めつけず、親の話をそのまま書き留めておきましょう。

生きものの話から、親の子どものころの遊びや、通っていた学校の話につながることもあります。そうした話を聞きたくなったら、「親の子どものころの遊びや学校の話を、聞いて残す」の記事の聞き方も参考になります。

別れの話は、親が話せる分だけでいい

生きものの話は、どの親にとっても楽しい話とは限りません。一緒に暮らした生きものとの別れは、何年たっても、思い出すとつらいことがあります。家の事情で、手放さなければならなかった生きものの話もあるかもしれません。

この記事の聞き方は、別れのいきさつを確かめるためのものではありません。別れのときのことを、聞き手のほうから細かく聞き出そうとしないでください。親が自分から話しはじめたときに、話せる分だけを聞いておけば十分です。

話の途中で親が言葉に詰まったり、話題を変えたりしたら、それ以上は深追いしないでください。「話してくれてありがとう」と伝えて、元気だったころの話に戻るか、別の話に移れば十分です。親が話したいと思ったときに、また聞けばよいのです。

あなた自身にとっても、生きものとの別れはつらい記憶かもしれません。聞くことが、あなたにとって苦しい場合は、聞かないという選び方もあります。

一つの生きものを一枚にまとめる、書き留め方の形

聞いた話は、一つの生きものにつき一枚にまとめておくと、あとで読み返しやすくなります。形はノートでも、スマホのメモでもかまいません。次の五つの欄を目安にしてみてください。

一つ目は「名前と、どんな生きものか」です。「チロ(白い犬)」のように、短く書きます。二つ目は「家にいたころ」。「わたしが小学生のころ」「結婚してすぐ」のように、親が話したとおりに書けば十分です。三つ目は「話してくれた人」。父か母か、ほかの家族かを書いておきます。四つ目は「親が言った一言」で、ここはできるだけ親の言葉どおりに残します。「あの子は、お父さんの足音が分かった」のような一言が出てきたら、ここに書いておきましょう。五つ目が「聞いた日」です。

書き終えたら、いちばん下に、聞いたあなたの感想を一行添えてください。「あの犬の名前を、父がつけたとは知らなかった」「母が、猫の話をうれしそうにしていた」。親の言葉とあなたの気持ちが一枚に並ぶと、生きものの話が、家族の記録になります。

全部の欄が埋まらなくても大丈夫です。空いた欄は、次に聞く問いの手がかりになります。

Q. うちでは、生きものを飼ったことがありません

家で生きものを飼っていなかったとしても、生きものの話が聞けないわけではありません。「近所に、よく見かけた犬や猫はいた?」「親戚の家に、生きものはいた?」「本当は飼ってみたかった生きものはある?」と聞いてみてください。

「飼いたかったけれど、飼えなかった」という話も、大切な記録です。どうして飼えなかったのかを聞くと、そのころの家の事情や、親の思いが見えてくることがあります。話が出てこないときは、無理に続けなくてかまいません。その日は、親が話したいことを聞く日にしても十分です。

Q. 親と自分で、覚えていることが違います

同じ生きもののことでも、親とあなたで覚えていることが違うことがあります。名前の由来や、家に来た年、誰がいちばん世話をしていたか。どちらが正しいかを決めなくてかまいません。

親の話は親の言葉で、あなたの覚えていることはあなたの言葉で、同じ紙に並べて書いておきましょう。覚えていることの違いも、家族それぞれがその生きものとどう過ごしてきたかを伝える記録です。違いをそのまま残す考え方は、「『それ、違うと思う』と言いたくなったら──記憶違いのまま残す、という選び方」の記事にまとめています。

Q. 離れて暮らしていて、会って聞く機会があまりありません

生きものの話は、電話でも聞くことができます。「あの犬の名前、誰がつけたんだっけ?」のように、一回の電話で一つだけ聞いてみてください。短い話でも、何回か重ねるうちに、一枚の紙が少しずつ埋まっていきます。

電話で聞いた話は、電話を切ったあと、親の言葉を思い出せるうちに書き留めておきましょう。離れて暮らす親との電話での聞き方は、「離れて暮らす親と、電話でどこまで聞ける?」の記事にまとめています。

家で飼っていた生きものの話を、一冊の言葉にまとめるには

聞いた話や、親が口にした一言は、ノートやファイルにまとめておくのも一つの方法です。想い伝(おもいでん)は、いくつかの質問に答えるだけで、あなたが残した言葉を読みやすい一冊の本に整えるサービスです。家族の思い出や親への感謝などを、問いに答えながら書き進められます。本になるのは、あなたが書いた言葉そのものです。

書きかけの内容はお使いの端末に保存され、当社のサーバーには保存されないしくみです。今日は名前の由来の話だけ、次に会ったときに散歩の話を、というように、少しずつ書き足しながら仕上げることができます。

今日、ひとつだけ書いてみてください。「家にいた生きもの」の名前を一行だけ。分からなければ、それが親に聞く最初の質問になります。その一行から、あなたの知らなかった、家族と生きものとの毎日が、家族の言葉として残り始めます。

この記事について

想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。

公開日:

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