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家族の対話約8分

親の友だちのことを、聞いて残す 長いつきあいの友だち、若いころの仲間の話を、親の言葉で書き留める

「いちばん長いつきあいの友だちは、誰?」。親にも、子どものころからの友だちや、働きはじめたころの仲間、いまも年賀状を交わす人がいるかもしれません。答えやすい問いから始める聞き方、出会いや一緒に過ごした時間の聞き方、友だちの名前や暮らしを書き留めるときの心づかい、もう会えない友だちの話への配慮まで、親の友だちの話を親の言葉で残す手順をまとめました。

親の友だちのことを、子どもは名前くらいしか知らない

この記事を読むと、親の友だちの話を聞いて、親の言葉のまま書き留める手順が分かります。結論から言うと、「どんな友だちがいたの?」と大きく聞こうとせず、「いちばん長いつきあいの友だちは、誰?」のように、一人の友だちのことを一つだけ聞くこと。そして、聞いた話を、親の言葉とあなたの感想を並べて、一人の友だちにつき一枚ずつ残すこと。この二つで、親が大切にしてきた人とのつながりが、家族で読み返せる言葉の記録になります。

親の友だちについて、あなたが知っているのは、年賀状に書かれた名前や、ときどき電話で話している相手くらいかもしれません。けれど親にも、子どものころから一緒に遊んだ友だちや、学校や職場で出会った仲間、つらいときに支えてくれた人がいたかもしれません。そうした人の話は、聞かれなければ、親の中にしまわれたままになりがちです。

友だちの話は、親が自分のことを話すより、話しやすいことがあります。「自分の話なんて」と言う親も、「あの人はね」と友だちのことなら、楽しそうに話してくれることがあります。友だちの話をしているうちに、そのころの親自身の暮らしや気持ちが見えてくることもあります。親の昔の話を聞くときの全体の進め方は、「親の昔話・思い出を聞いて残すには」の記事にまとめています。

最初の問いは「いちばん長いつきあいの友だちは?」くらいでいい

最初の問いは、一言で答えられるものにしましょう。「いちばん長いつきあいの友だちは、誰?」「若いころ、よく一緒にいた人はいる?」「年賀状をくれる○○さんって、どんな人?」。このくらいの問いなら、親も気軽に答えられます。

答えが返ってきたら、そこから一つだけ問いを足してみてください。「学校で一緒だった」と聞けば「どんな子だった?」。「職場の同期だった」と聞けば「どんなことを話していた?」。一つの答えに一つの問いを重ねていくと、親とその友だちの関係が少しずつ見えてきます。

聞くきっかけは、ふだんの暮らしの中にあります。年賀状や手紙が届いたとき、親が誰かと電話で話していたとき、昔の写真に知らない人が写っていたとき。「この人は、どういう友だち?」と、ついでのように聞くくらいがちょうどよいでしょう。

出会いの話は「いつ」「どこで」「どうやって」で広げる

友だちの名前が出てきたら、「いつ」「どこで」「どうやって」の三つを聞いてみてください。「知り合ったのは何歳くらいのころ?」「どこで出会ったの?」「どうやって仲よくなったの?」。出会いの話には、そのころ親がどこで、どんなふうに暮らしていたかが映っています。

子どものころからの友だちなら、一緒に遊んだことや、同じ教室で過ごした日の話につながることがあります。子どものころの遊びや学校の話をもっと聞きたくなったら、「親の子どものころの遊びや学校の話を、聞いて残す」の記事の聞き方も役に立ちます。

「その人の、どんなところが好きだった?」と聞いてみるのもよいでしょう。親が友だちのどこを好きだったかには、親が人のどんなところを大切にしてきたかが表れることがあります。うまく言葉にならなくても、「なんとなく気が合った」という答えで十分です。そのまま書き留めておきましょう。

一緒に過ごした時間、助けてもらったことを聞く

出会いの話のあとは、一緒に過ごした時間を聞いてみてください。「よく一緒に何をしていた?」「二人で出かけた場所で、覚えているところはある?」。一緒に夢中になった音楽や遊びの話が出てきたら、「親の若いころの趣味や好きだったものを、聞いて残す」の記事の聞き方も参考になります。

働いていたころに出会った仲間の話も、聞いておきたい記録です。「仕事で助け合った人はいる?」「仕事のあとに、よく話した人は?」と聞くと、職場での親の姿が見えてくることがあります。働いていたころの話につながったら、「親の仕事の話を聞いて残す」の記事も参考にしてください。

「困ったときに、助けてくれた人はいる?」と聞いてみるのも一つの方法です。助けてもらった話には、親が感謝してきた人や、親を支えてきたつながりが表れます。答えたくなさそうなら、無理に聞かずに次の話へ移りましょう。

年賀状や写真、手紙を手がかりに聞く

親の友だちの話は、手元に残っているものから聞くこともできます。毎年届く年賀状、昔の写真、友だちからもらった手紙。「この年賀状の人とは、どこで知り合ったの?」「この写真で、隣に写っているのは誰?」と聞くと、そこから話が始まることがあります。

写真に写っている人の名前は、親が覚えているうちに聞いておきたい記録です。「誰が、いつ、どこで」を写真ごとに聞いていく進め方は、「古い写真から、まだ言葉が取れる」の記事で紹介しています。

ただ、友だちからの手紙は、親とその友だちのあいだで交わされたものです。「見てもいい?」と聞いて、断られたら無理に頼まないでください。見せてもらえた場合も、手紙の中身を書き写すより、親がその手紙についてどう話したかを書き留めておきましょう。

友だちの名前や暮らしを書き留めるときの心づかい

親の友だちは、家族の外にいる人です。話を書き留めるときは、親の思い出として残すことを中心にして、友だちの暮らしの細かい事情や、本人が知られたくないかもしれないことは書かないでおきましょう。親が「これは書かないで」と言ったことも、書かずにおきます。

友だちの名前は、家族の中で読む記録なら、親が呼んでいたとおりに書いておけば十分です。「○○ちゃん」「○○さん」のように、親の呼び方そのものが、二人の関係を伝えてくれます。家族の外の人にも見せるつもりがあるときは、名前を呼び名や頭文字にしておくなど、相手のことも考えて書き方を選びましょう。

書き留めた内容を親に読んでもらって、「これで残していい?」と確かめておくと安心です。親が直したいと言った部分は、親の言うとおりに直しておきましょう。

もう会えない友だち、離れてしまった友だちの話は、そのままにしておく

友だちの話は、楽しいものばかりとは限りません。もう亡くなった友だちのことや、けんかをして離れてしまった友だち、引っ越して連絡が途絶えた人の話が出てくることもあります。

話の途中で親が言葉に詰まったり、話題を変えたりしたら、それ以上は深追いしないでください。「話してくれてありがとう」と伝えて、別の話に移れば十分です。親が話したいと思ったときに、また聞けばよいのです。

親が自分から話してくれたときは、親の言葉のまま書き留めておきましょう。どうして離れてしまったのかを、あなたが確かめたり、理由を書き足したりする必要はありません。親がその友だちをどう覚えているかが、そのまま大切な記録になります。

一人の友だちを一枚にまとめる、書き留め方の形

聞いた話は、一人の友だちにつき一枚にまとめておくと、あとで読み返しやすくなります。形はノートでも、スマホのメモでもかまいません。次の五つの欄を目安にしてみてください。

一つ目は「誰の話か」です。「小学校で一緒だった○○ちゃん」「最初の職場の同期」のように、親の呼び方をそのまま使います。二つ目は「いつごろ出会ったか」。子どものころ、働きはじめたころ、など大まかで十分です。三つ目は「どこで、どうやって出会ったか」。四つ目は「親が言った一言」で、ここはできるだけ親の言葉どおりに残します。好きだったところや、一緒にしたことが出てきたら、ここに書いておきましょう。五つ目が「聞いた日」です。

書き終えたら、いちばん下に、聞いたあなたの感想を一行添えてください。「年賀状でしか知らなかった人が、母の子どものころからの友だちだと初めて知った」「父が、困ったときに助けてもらった人のことを、うれしそうに話していた」。親の記憶とあなたの気持ちが一枚に並ぶと、親の友だちの話が、家族の記録になります。

全部の欄が埋まらなくても大丈夫です。空いた欄は、次に聞く問いの手がかりになります。

Q. 親が「友だちなんて、あまりいなかった」と言います

友だちが多くなかった、仕事や家のことで忙しくて友だちと過ごす時間がなかった、という親もいます。そのときは、「友だち」という言葉を使わずに聞いてみてください。「よく話をした人はいる?」「近所で親しくしていた人は?」「一緒に働いて、気が合った人は?」。

一人でも、短いあいだでも、親にとって大切だった人の話は、親の暮らしを伝える記録です。親が「こんなことでいいの?」と言うような小さなつながりの話こそ、そのまま書き留めておきましょう。それでも話したくなさそうなら、無理に続けず、別の話題に移ってかまいません。

Q. 親の友だちに会う機会があります。友だちにも話を聞いていいですか

親の友だちから、親の若いころの話を聞けることもあります。ただ、その前に、親に「○○さんに、昔の話を聞いてもいい?」と確かめておきましょう。親が望まないときは、聞かずにおきます。

話を聞くときは、相手にも、家族で読むために書き留めたいことを伝えて、よいかどうかを確かめてください。相手が話してくれたことのうち、書き留めるのは、相手が「残していい」と言った部分だけにしましょう。親の言葉と友だちの言葉は分けて、「○○さんから聞いたこと」として書いておくと、あとで読み返したときに分かりやすくなります。

Q. 話を聞いていたら、親が「久しぶりに連絡してみようかな」と言いました

友だちの話をしているうちに、親が懐かしくなって、その人に連絡を取りたくなることがあります。親がそう言ったら、手紙を書くのを手伝ったり、電話番号を一緒に探したりと、親が望む形で手を貸すのもよいでしょう。

ただ、連絡を取るかどうかを決めるのは、親自身です。あなたが代わりに連絡したり、急がせたりする必要はありません。親が迷っているようなら、「話を聞かせてくれてありがとう」と伝えて、親が決めるのを待てば十分です。

親の友だちの話を、一冊の言葉にまとめるには

聞いた話や、親が口にした一言は、ノートやファイルにまとめておくのも一つの方法です。想い伝(おもいでん)は、いくつかの質問に答えるだけで、あなたが残した言葉を読みやすい一冊の本に整えるサービスです。家族の思い出や親への感謝などを、問いに答えながら書き進められます。本になるのは、あなたが書いた言葉そのものです。

書きかけの内容はお使いの端末に保存され、当社のサーバーには保存されないしくみです。今日はいちばん長いつきあいの友だちの話だけ、次に会ったときに若いころの仲間の話を、というように、少しずつ書き足しながら仕上げることができます。

今日、ひとつだけ書いてみてください。「親のいちばん長いつきあいの友だち」の名前を一行だけ。分からなければ、それが親に聞く最初の質問になります。その一行から、あなたの知らなかった、親が大切にしてきた人とのつながりが、家族の言葉として残り始めます。

この記事について

想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。

公開日:

あなたの想いも、一冊の本に

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