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家族の対話約6分

親が「話すことなんて何もない」と言うとき、どう聞く? 持ち物や場所から

話を聞こうとして「話すことなんて何もない」と言われても、そこで終わりではありません。出来事ではなく、持ち物・場所・写真から聞く、大きな話を求めない、答えを急がせない。断られたときの聞き方を、やさしくまとめました。

「何もない」と言われたら、そこで終わり?

この記事を読むと、「話すことなんて何もない」と言われたときの受け止め方と、話のきっかけを見つける四つの手がかりが分かります。結論から言うと、そこで終わりではありません。「出来事ではなく、持ち物・場所・写真から聞く」「大きな話を求めない」「答えを急がせない」「話したくないことは話さなくていい、と伝わるようにする」。この四つで、話は思いがけないところから始まります。

なお、「断られた」と「何もない」は別の場面です。断られたときは、本人が話したくない気持ちを伝えているので、無理に聞かず、引き際を大切にします。この記事が扱うのは、話してもよいけれど何を話せばよいか浮かばない、という「何もない」のほうです。断られた場合は、『親に断られたら──引き際と、出直し方』の記事をご覧ください。

「何もない」という言葉は、本当に何もないという意味とは限りません。自分の話など聞いてもらうほどのものではない、という遠慮や謙遜であることが、よくあります。長く生きてきた人ほど、身近な暮らしを特別なことだと思っていないものです。

ですから、まずはその言葉を、そのまま受け止めましょう。遠慮する気持ちを、敬意をもって受け取る。それだけで、次のひとことが話しやすくなります。

出来事がだめなら、何から聞けばいい?

出来事を思い出してもらうより、目の前にあるものから聞くほうが、答えやすくなります。たとえば、使いこまれた道具、しまってある箱、玄関の近くに飾ってあるもの。「これ、いつから使っているの?」という短い問いかけなら、思い出す負担が小さく、ひとことで答えられます。

場所も、よい手がかりです。近所の道、昔通った店、住んでいた町。地名や景色は、記憶の引き出しを開けてくれます。歩きながら、窓の外を見ながら、ついでのように聞いてみましょう。

アルバムや飾ってある写真があれば、それも話のきっかけになります。写真を見るときは、本人の了承を得てからにしましょう。「この写真、見せてもらってもいい?」と一声かけるだけで、安心して話しはじめてもらえます。

大きな話を、求めなくていい?

求めなくて大丈夫です。人生の大きな出来事や、立派な話を聞こうとすると、聞かれる側は身構えてしまいます。「そんな大層な話はない」と感じてしまう、いちばんの理由です。

むしろ、毎日の習慣や、好きだった食べもの、通いなれた道のような、小さな話のほうが、その人らしさがよく伝わります。朝はどんなふうに過ごしていたか、よく作った料理は何か。そうした話は、本人にとっては当たり前でも、聞く側にはかけがえのない記録になります。

小さな話を大事に受け取っていると、そのうち、自分から大きな話をしてくれることもあります。急いで深い話に進もうとせず、まずは軽い話題から始めましょう。

答えが返ってこないとき、どうすればいい?

答えを急がせないことです。すぐに返事がなくても、思い出しているところかもしれません。少し待つだけで、ぽつりと話が出てくることがあります。

その日にひとつ聞けたら、そこで終わりにしても十分です。続けて質問を重ねると、取り調べのように感じさせてしまいます。今日はここまで、と区切って、また次の機会に聞けばよいのです。

話したくないことは、話さなくていい。そう伝わるように聞くことも大切です。「言いたくなければ、言わなくていいよ」というひとことがあるだけで、かえって話しやすくなる人も少なくありません。話す内容を選ぶのは、いつも本人です。

聞いた話は、どう残せる?

聞いたことは、そのあと短く書き留めておきましょう。聞いている最中にメモを取ると、話の流れが途切れてしまうことがあります。話を聞き終えてから、覚えているところを、スマートフォンのメモに書いておくだけで十分です。

書き留めた言葉は、あとから一冊の形に整えることもできます。想い伝(おもいでん)は、いくつかの質問に答えるだけで、あなたが残した言葉を読みやすい一冊の本に整えるサービスです。まずは無料で書き始められ、書きかけの内容はお使いの端末に自動で保存されます。仕上がった一冊は、印刷できるPDFとして受け取れます。

「何もない」と言っていた親の口から、思いがけない話が聞けたなら、それはとても大切な一冊の始まりです。今日は、目の前にあるものについて、ひとつだけ聞いてみるところから始めてみてください。

この記事について

想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。

公開日:

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