親に何を聞けばいいか分からない人へ──質問のつくり方
親にインタビューしてみたいけれど、何をどう聞けばいいか分からない。そんな方のために、沈黙を生まない質問の並べ方と、答えやすい聞き方の原則を、やさしくまとめました。
質問は、聞きたい順でなく「答えやすい順」に並べる
この記事を読むと、質問は時系列でも重要度でもなく「答えやすさの順」に並べるとよい、という質問設計の原則が分かります。沈黙を生まない聞き方のコツとして、参考にしてください。
親に話を聞いてみようとするとき、多くの人は「生まれてから今まで」の時系列で質問を並べたり、「一番聞きたいこと」を早い段階にぶつけたりしがちです。ところが、答えにくい質問がいきなり来ると、相手は身構えてしまい、そのあとの会話まで硬くなってしまうことがあります。
質問の中身だけでなく「並べ方」を工夫するだけで、同じ質問でもぐっと答えやすくなります。ここでは、私たちが想い伝の質問づくりで大切にしている考え方を、いくつかの原則としてご紹介します。
「こうだったはず」という決めつけを外す
質問を作るとき、無意識のうちに「結婚していて」「大学まで進学していて」「会社勤めをしていて」「子育てに深く関わっていた」といった、ひとつの決まった人生の形を前提にしてしまうことがあります。ですが、実際の人生の形はさまざまです。
例えば、配偶者について聞くときは「奥さん」と決めつけず「パートナー」や「連れ合い」といった、より開かれた言い方にする。学歴について聞くときは「高校・大学のころ」ではなく「十代の終わりごろ」「若いころ」といった聞き方にする。仕事について聞くときは「上司や部下」ではなく「仕事を通じて出会った人」「自分の腕」といった聞き方にする。子育てについて聞くときも「育児」だけに絞らず「家族を守ること」という広い聞き方にする。
こうした言い換えは、特別な配慮というより、より多くの人が自然に答えられる聞き方への調整です。決めつけの少ない聞き方は、相手が「自分には当てはまらない」と感じて口を閉ざしてしまうことを防いでくれます。
終わったことでなく、今も続いていることとして聞く
「あのときどう思っていましたか」という過去形の聞き方は、遠い昔の一瞬を切り取って聞いているような響きになりがちです。同じ内容でも「今も大切に思っていることは何ですか」というように、現在も続いている気持ちとして聞くと、答えやすさが変わってきます。
結婚や家族への想いのように、時間が経っても変わらず続いている気持ちを尋ねるときは、特にこの聞き方が向いています。過去の一場面を思い出すより、今の気持ちを言葉にするほうが、話しやすいことが多いからです。
後悔を掘り起こす聞き方は避ける
「やり直せるなら、別の道を選びますか」「これまでの人生に点数をつけるなら」といった聞き方は、聞く側に悪気がなくても、答える側には「今の自分では足りない」と減点法で振り返らせてしまう聞き方になりがちです。
同じ話題でも「やり直せるとしたら、どんな経験を加えたいですか」「人生を一冊の本に例えるなら、どんなタイトルですか」というように、何かを付け加える・俯瞰して眺める形の聞き方にすると、後悔を掘り起こすのではなく、これまでの歩みを肯定的に振り返る質問になります。
減らす・引き算する聞き方から、加える・見渡す聞き方へ。この一手間だけで、答える側の気持ちの負担がずいぶん変わります。
重い質問は、あとに置く
ひとつの話題のまとまり(章)を作るときは、最初の数問を軽めの質問にし、深く踏み込んだ質問は後半に置くようにします。最初に重い質問が来ると身構えられてしまい、そのあとの質問にまで影響してしまうためです。
例えば「子育て」について聞くまとまりなら、最初は「子どもが生まれたときの様子」のような答えやすい質問から始め、話が温まってきたところで「子育てで一番大変だったこと」のような、少し踏み込んだ質問へ進む、という順番です。
質問は、一度作って終わりではない
私たちは想い伝で使っている100問の質問を、一度作って終わりにせず、繰り返し見直しています。ある改訂では、100問のうち、聞き方そのものを大きく直す必要があった質問が3問、内容を見直した質問が7問、削除して新しい質問に差し替えたものが2問、記入のヒントを補った質問が4問ありました。
質問づくりは、一度で完成するものではなく、実際に使ってみて分かることを踏まえながら、少しずつ整えていくものです。もしご自身で質問リストを作る場合も、一度で完璧を目指さず、聞いてみて答えにくそうだった質問は、あとから直していく前提で始めてみてください。
相続や医療に関わる話題は、専門の窓口へ
質問の中には、相続や財産の分け方、医療やケアに関する希望など、法的な判断が関わる話題が含まれることがあります。そうした事柄は、家族だけで抱え込まず、弁護士・司法書士・税理士や、お住まいの自治体・医療機関の窓口に相談しながら進めることをおすすめします。
本記事は一般的な考え方の紹介です。ご家庭の事情に応じた具体的な判断は、専門の窓口にご相談ください。
想い伝で、質問づくりから任せる
「何を聞けばいいか分からない」という方は、質問を一から自分で考える必要はありません。想い伝(おもいでん)では、ここでご紹介したような原則を踏まえて作られた質問に、答えていくだけで一冊の本に整っていきます。
答えやすい順に並んだ質問に沿って、書けるところから書き進めてみてください。まずは無料で書き始められ、書きかけはお使いの端末に自動で保存されます。
この記事について
想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。
公開日: