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家族の対話約8分

親のきょうだいのことを、聞いて残す 一緒に育ったおじやおばとの子ども時代と、大人になってからのつきあいを、親の言葉で書き留める

「おじさんとは、子どものころ仲がよかったの?」。親にとってのきょうだいは、あなたにとってのおじやおばです。同じ家で育ち、同じ食卓を囲んだ相手のことは、親の思い出の中でも、ほかの誰とも分け合っていない部分かもしれません。顔ぶれと順番から入る聞き方、同じ家で過ごした子ども時代の聞き方、それぞれが家を出てからの道のりと、いまのつきあいの聞き方、もう会えないきょうだいや家族の中の事情への気づかいまで、親のきょうだいの話を親の言葉で残す進め方をまとめました。

おじやおばの話は、親の子ども時代をいちばん近くから照らす

親のきょうだい、つまりあなたのおじやおばのことを、親に聞いて書き留める。ここでは、その進め方を順に紹介します。要点は二つあります。一つは、「きょうだいとはどうだった?」とまとめて尋ねずに、「おばさんとは、いくつ離れているの?」のように、一人のきょうだいと一つの事実から入ること。もう一つは、聞いた話をきょうだい一人ごとに分けて、親が使った呼び名のまま記録していくことです。

同じ家に生まれ、同じ親に育てられ、同じ食卓でごはんを食べてきた相手。きょうだいは、親の子ども時代をすぐそばで見ていた人たちです。けんかをした日も、かばってもらった日も、親の記憶の中では、きょうだいの顔と一緒にしまわれているのでしょう。

おじやおばとは、法事やお正月に顔を合わせるだけ、という家も多いと思います。親の目に映ってきたきょうだいの姿は、あなたが親戚の集まりで見てきた姿とは、また少し違っているかもしれません。祖父母の話は「祖父母のことを、親に聞いて残す」に、親自身の遊びや学校の話は「親の子どものころの遊びや学校の話を、聞いて残す」にまとめています。ここでは、その間をつなぐきょうだいの話に的をしぼります。

まずは顔ぶれと順番から。「何人きょうだいの何番目?」

入り口の問いには、答えがはっきり決まっているものが向いています。「お父さんは、何人きょうだいの何番目?」「いちばん上のおじさんとは、いくつ離れているの?」。数や順番なら、親も迷わずに答えられます。

顔ぶれが分かったら、紙に横一列で名前を並べてみてください。親が「上の兄さん」「下の妹」と呼んでいるなら、その呼び方で書きます。並べた紙を親に見せて「この順番で合っている?」と確かめるだけでも、あなたの知らなかった話がこぼれてくることがあります。

尋ねるのにいい折は、親戚から電話があったあとや、おじやおばから届いた荷物を開けたときです。「おばさん、元気そうだった?」の一言から、昔の話へ少しずつさかのぼっていけます。

同じ家で育った日々を、ひとつの場面から聞く

子ども時代の話は、場面を一つに決めると広がりやすくなります。「子どものころ、部屋はきょうだいで一緒だった?」「おかずを取り合ったことはある?」「家の手伝いは、誰が何を受け持っていたの?」。きょうだいのいる家ならではの、毎日の小さな決まりごとが見えてきます。

けんかの話も、聞いてみる値打ちがあります。「いちばん覚えているけんかは?」「そういうとき、どっちが先に謝ったの?」。何十年もたった今なら、笑い話として聞かせてくれることもあります。

年の離れたきょうだいがいた親なら、「上のおばさんに、面倒を見てもらったことはある?」と尋ねてみましょう。下の子を背負って子守りをした、学校の支度を手伝ってもらった、といった話は、そのころの家の暮らしぶりまで伝えてくれます。

家を出てから、それぞれが歩いた道を聞く

大人になると、きょうだいはそれぞれの道に分かれていきます。「最初に家を離れたのは誰だった?」「おじさんが家を出たのは、いくつのとき?」と聞くと、家族がひとりずつ巣立っていった順番が分かります。

就職、結婚、引っ越し。きょうだいの節目を、親がどこで、どんな気持ちで見ていたのかも尋ねてみましょう。「おばさんの結婚式のこと、覚えている?」「遠くへ行くと聞いたとき、どう思った?」。きょうだいの話をしているようでいて、そのころの親自身の暮らしが語られることも少なくありません。

あなたの知らない「若いころのおじ・おば」を聞く

あなたが知っているおじやおばは、大人になってからの姿です。親に「おじさんは、若いころどんな人だった?」と尋ねると、親戚の集まりでは見たことのない一面が語られるかもしれません。

「昔は、きょうだいでいちばんやんちゃだった」「勉強がよくできて、家じゅうの自慢だった」。そんな一言が出てきたら、言い直さずに、親の口から出たままの言葉で書いておきます。おじやおば本人と話すときの、ちょっとした話の種にもなります。

ただ、きょうだいの若いころの失敗や、本人が人に知られたくないかもしれない話が出てきたら、記録に残すかどうかは慎重に考えてください。親が話してくれたことと、紙に残してよいことは、必ずしも同じではありません。

いまのきょうだいとのつきあいを聞く

話が今に近づいてきたら、「最近、おじさんとはどんな話をするの?」「きょうだいで集まると、どんな話になる?」と聞いてみてください。年を重ねたきょうだいどうしが、どう連絡を取り合い、どう気にかけ合っているのかが分かります。

「子どものころの話ができるのは、もうあの人だけ」。親からこんな言葉が出たら、それは親にとってのきょうだいの重みを伝える一言です。聞き手の解釈を足さずに、そのまま書き留めておきましょう。

もう会えないきょうだい、家族の中の事情への気づかい

親のきょうだいの中には、すでに亡くなった人や、幼いうちに亡くなった人がいるかもしれません。長く行き来が途絶えているきょうだいがいる家もあるでしょう。

親の声が小さくなったり、話をそらしたりしたら、そこで問いを止めてください。「聞かせてくれてありがとう」と区切りをつけ、続きは親のほうから話が出たときで十分です。

おじやおばは、いまも暮らしを続けている人たちです。病気や仕事、家庭の事情など、本人の了解なく広めたくない話は、記録に書かずにおきましょう。家や土地、遺産のような話題になったときも、この記録の目的からは外れるので、書き留めずにおくほうがよいでしょう。書き終えたものは親に読んでもらい、「この内容で残していい?」と尋ねておくと安心です。

きょうだい一人に一ページ。書き留める欄の例

記録は、きょうだい一人ごとにページを分けておくと、あとから書き足しやすくなります。ノートの見開きでも、スマホのメモを一人一件にする形でもかまいません。欄は、次のようなものを用意しておくと迷いません。

まず「呼び名と順番」。「上の兄さん(二つ上)」のように、親の呼び方と年の差を一緒に書きます。続いて「子どものころの思い出」には、部屋や手伝い、けんかの話を。「家を出てからのこと」には、仕事や暮らした土地など、親が知っている範囲を短く。「親が口にした一言」には、その人について親が言った言葉を、言い回しまでそのまま写します。最後に、話を聞いた日付を入れておきます。

ページの余白には、あなた自身が覚えているおじやおばの姿も書いておきましょう。「お年玉をくれるとき、いつも『内緒だよ』と言っていた」。親の記憶とあなたの記憶が同じページに並ぶと、一人の人が、二つの時代から見えてきます。

書けない欄は、そのまま空けておいてかまいません。次に会ったときに尋ねることが、そこで決まります。

Q. 親はひとりっ子で、きょうだいがいません

きょうだいのいない親には、「子どものころ、きょうだいのように過ごした人はいた?」と聞いてみてください。いとこや近所の幼なじみ、同じ家に住んでいた親戚の名前が挙がることがあります。

ひとりっ子として育ったこと自体を話してもらうのも一つです。「家では、誰と遊んでいたの?」「きょうだいがほしいと思ったことはある?」。答えにくそうなら、話題を変えてかまいません。子どものころの遊びの聞き方は、「親の子どものころの遊びや学校の話を、聞いて残す」の記事も参考になります。

Q. おじやおば本人にも、話を聞いてみたいのですが

親から聞いた場面を、おじやおば本人にも尋ねてみると、親とは違う角度から話が返ってくることがあります。会う機会があれば、「父から、昔こんなことがあったと聞いたんですけど」と切り出してみるのも一つの方法です。

そのときは、親から聞いた話をどこまで伝えてよいか、先に親と相談しておきましょう。親とおじ・おばで覚えていることが食い違っても、片方に合わせて書き直す必要はありません。食い違いを残すことの考え方は、「『それ、違うと思う』と言いたくなったら──記憶違いのまま残す、という選び方」の記事で紹介しています。

あなたにもきょうだいがいるなら、親から聞く役と、おじやおばから聞く役を分けてもよいでしょう。役割の分け方は「きょうだいで分担して親の言葉を集める」の記事にまとめています。

Q. きょうだいで写った古い写真があります

きょうだいが並んで写った写真は、話のきっかけになります。「これは誰?」「どこで撮ったの?」「この服、覚えている?」と、写っている一人ずつを指さしながら聞いていくと、写真の外にある前後の出来事まで話が及ぶことがあります。

写真を手がかりに話を聞く方法は、「古い写真から、まだ言葉が取れる」の記事でくわしく紹介しています。写真ごとに、親から聞いた名前と年を別のメモに書いておくと、次の世代が見返したときにも、誰が写っているのかが分かります。

親のきょうだいの話を、一冊の言葉にまとめるには

聞いた話や、親が口にした一言は、ノートやファイルにまとめておくのも一つの方法です。想い伝(おもいでん)は、いくつかの質問に答えるだけで、あなたが残した言葉を読みやすい一冊の本に整えるサービスです。家族の思い出や親への感謝などを、問いに答えながら書き進められます。本になるのは、あなたが書いた言葉そのものです。

書きかけの内容はお使いの端末に保存され、当社のサーバーには保存されないしくみです。今日はいちばん上のおじさんのこと、次はすぐ下のおばさんのこと、と一人ずつ書き進めて、少しずつ仕上げていくことができます。

まずは、親のきょうだいの呼び名を、生まれた順に一行に並べてみてください。途中で分からない名前があれば、そこが親に尋ねる最初の一問です。その一行が、親が育った家の記憶を、家族の言葉として残していく入り口になります。

この記事について

想い伝 編集チーム(株式会社狼煙)。ご家族へ想いを残したい方に向けて、終活や家族の対話にまつわる話題を、やさしい言葉でまとめています。

公開日:

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